連日暑い日々が続き、無茶振りをふっかけてくる仕事が忙しい あーる(@rkoubou_jp) です。
学生の皆さんは夏休みシーズンに入ったところでしょうか。去年は暑さやその他諸々の事情で1ヶ月休職してました。
今年は今やっているシステム開発のアホな仕様変更という名のちゃぶ台返しを食らっているので、先方にブーたれしに行きつつも乗り越えたい所存です。
先日、TwitterのTLを見ていた時に表題のソフト音源が目に入りました。
中国にあるデベロッパー Three-Body Technology の Heavier7Strings というギター音源です。
現在、イントロプライスで249USD→199USDで発売中です
この記事を書いた時点(2017/07/24)では、まだリリースされて数日なので余り情報が出ていないかと思います。
自分も購入前にマニュアルを読んではいますが、色々と触っている最中。
(各パーツの赤い数値はMIDI CC番号。クリックするとMIDI CC番号再割当て可)
目次
ざっくりというと…
※ 一部製品説明と被ります
- ロック、ハードロック、メタルに向いている7弦ギター音源
- KONTAKT等の汎用サンプラーを用いず、独自のエンジンで構築されている
- 内蔵エフェクター、プリセットが優秀で、外部アンプシミュレーター無しでも十分良い音が出る。自作プリセットも保存・管理可能
- MIDIパターンも内蔵
- Low-A まで対応
- サスティーンタイムを無限に設定でき、途切れさせないことも可能
- サンプルデータサイズは約10GB
- ロードはちょっと長めかも(SanDisk Extreme Pro SSD 960GBで約10秒。プリロードサイズ調整でどうにかなる?)
- VST32,64bit(Win/Mac)、AU(Mac)対応
第一印象(購入前)
- 音良さ気
- ちょっと高め…?(最初はイントロプライスも無かった)
- 体験版は無いのかー…
というのが率直な印象でした。が、気にはなっていたため動画やマニュアルを一通り目を通した結果。購入に至りました。
独自のサンプラーエンジン
この製品リリースまでの開発期間は4年間だそうです。
このデベロッパーの企業概要を読む限り、高度なエンジニアが集い、ユーザビリティ・価格・汎用性を念頭に開発をされているようです。
KONTAKTやHALionなどのメジャーな汎用サンプラーエンジンを用いていないため、ギターのエンジンに最適化された機能に的を絞っている印象があります。
独自のサンプラーエンジンという点で言うと、同じく中国のデベロッパー Ample Sound もその路線ですね。
好みの差がでるかもしれませんが、内蔵エフェクトについても優秀で、プリセットされているものだけでも十分に音作りが可能となっていますので、
アンプシミュレーターを個別に買わなくてもすぐに利用ができるのは強みだと思います。
(勿論別メーカーのアンプシミュレーターをインサートして使うことも想定された作りになっています)
負荷
メモリ:インスタンス間で共有されるので1つ分のサンプルデータのロード以上に消費されることはありません。
CPU:アンプシミュレーターと組み合わせた既存の有名所のロック・メタル系の音源とほぼ同じぐらいだと思います。
サンプラーエンジンが独自エンジンであるため、今後のバージョンアップでより最適化が期待できる可能性が十分に秘めているので今後に期待です。
操作感
Prominy系+Electri6ty系+Shreddage系に加え、それぞれの弱点を上手く補った作りだと捉えています。
※Prominy系:ノートオフではなく専用のキーでストップさせる、MIDI CC で細かく制御するタイプ
※Electri6ty系:和音を打鍵した時にコードを検知・MIDI CCでこと細かく音作りを行うことを想定したタイプ
※ Shreddage系:鍵盤でリアルタイム演奏も視野に入っているタイプ、ノートオン時のベロシティ値でアーティキュレーションを制御するタイプ
Heavier7Stringsでは一画面でほぼ全てのパラメータを掌握することができます。
デフォルトではCCの値でアーティキュレーションを切り替えるモードになっていますが、ノートオンベロシティ値で制御可能なモード(vel. muting)もワンクリックで切り替えできるようになっています。
全てのパラメータのMIDI CC は任意に変更できます(CCリストから選択 / MIDI Learn)
無限ラウンドロビン
マシンガン現象を抑える仕組みとして用いられるラウンドロビン機能ですが、この製品は無限段階と謳っています。
具体的には、内部で16RRで演奏時にTHRASHエンジンにて微妙なニュアンスを加えることで実現。
逆を言うと、バウンス・ミックスダウン時に同じ音で書き出せない…、と思う方はこの点注意かもです。
ダブリング
単純にサンプルの開始をずらしたり位相の調整だけではないようです。
こちらも、その都度発音タイミングがヒューマナイズされるので、ミックスダウン毎にタイミング等は変動すると思います。(無論支障はない範囲内でないとマズいですが。そこは問題ないでしょう。)
ビブラート
デモの動画を見ていて気にはなっていましたが、デフォルトではアフタータッチで行う仕様になっています。
ただ、MIDI CC でアサイン可能なので、例えばモジュレーションに再割当てすることで違和感は緩和できるかと思います。
永久サスティーン
サスティーン(Sus.)のノブを100%にすることでストップキーを打鍵しない限り音は衰退すること無く不自然無く伸び続けます。
FERNANDESのサスティナーでいう「ハーモニクスモードじゃない方(普通の方、というのでしょうか?)」に相当します。
(FERNANDESのサスティーンというと、hideのギターに搭載されているアレですね。)
本当はもう数小節伸ばしたい、サスティナー的に使いたい、でもサンプルデータの終了ポイントに達してしまう…、という経験はありませんか?
私はあります。この音源ではその問題を解決してくれました。
エフェクター
一通り揃っています。
キャビネットには4chまでのIRのスロットがあります。
最後に
既にハードロック、メタル系音源を使用していて十分に事が足りている、という方や、初めてロック・メタル系の音源を買う方にもオススメ出来ると思います。
この記事は私の主観であります。また、新しいデベロッパーであるので実績や信頼性を気にする方は
サイトの製品説明、各種デモ動画とマニュアルを良く読んだ上でご検討してみてはいかがでしょうか。
殆どの制御をMIDI CC で制御するタイプのためキースイッチは余り多くないですが、後日 Cubase 用の VST Expression Map ファイルを作成しようと思います。